自賠責保険料が08年4月から下げへ
2008年01月04日
自賠責保険料、2年契約で8360円下げ
自動車やバイク保有者に加入が義務付けられている自動車損害賠償責任(自賠責)保険で、4月から引き下げられる保険料の詳細が明らかになりました。
代表的な自家用乗用車・2年契約(沖縄・離島を除く)で2万2470円となる模様です。
契約者の負担は現在より8360円軽くなります。
引き下げは11年ぶりになります。
交通事故死者数の減少などで保険金の支払いが想定より少なかったうえ、運用も好調だったためだそうです。
また交通事故が減少していることや、交通事故の重傷者が精神疾患に罹っていることが明らかになっていますが、その関連データも掲載します。
自賠責保険料、2008年4月から2割程度下げへ・「事故率」低下で還元
すべての自動車、バイク保有者に加入が義務付けられている自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料が2008年4月から2割程度下がる方向なことが2007年12月29日、明らかになりました。
自家用車1台当たり年2500―4000円ほど安くなるそうです。
交通事故死者数の減少などで保険金の支払いが想定より少なかったうえ、運用も好調だったためだそうです。
引き下げられれば11年ぶりになります。
2008年1月の自動車損害賠償責任保険審議会(自賠審、金融庁長官の諮問機関)の了承を経て正式に決定されます。
原油高でガソリン価格の値上げが進むなか、自動車ユーザーや自動車関連業界にとっては朗報といえますね。
自賠責保険の保険料の契約者負担額は、平成17年度から3年連続で引き上げられています。
契約者が負担する保険料を一部肩代わりしていた国の交付金が、17年度から19年度にかけて段階的に縮小されてきたためです。
交付金は20年度に廃止され、基準保険料の全額が契約者の負担となります。
しかし、飲酒運転の取り締まり強化などで交通事故の発生が想定より少なく、保険料に対する支払い保険金の割合である「損害率」が当初予測と比べ2割近く低かった模様です。
また、民間損害保険会社と全国共済農業協同組合連合会(JA共済)が共同で行っている保険料の運用が予想以上に好調に推移したことで、基準保険料の引き下げが可能になったようです。
現在の自賠責保険の契約者負担額は、自家用乗用車で代表的な2年契約の場合で3万830円(沖縄県と離島を除く)、営業用の2トン超トラックで13万5060円(2年契約)などとなっています。
今回の改定では、現行に比べて1割超引き下げる方向で検討されているそうです。
自賠責保険の保険料改定は、来年1月10日と18日に開催される自賠審で審議されます。
自賠審の了承を経たうえで、損害保険料率算出機構が金融庁に料率改定の届け出をして正式決定になります。
自賠責保険の平成18年度の新規契約台数は約3867万台になります。
今回の保険料引き下げをめぐっては、一般の自動車ユーザーはもちろん、タクシーや運送会社など自動車関連業界に与える影響が大きいと予想されます。
自賠責保険とは・・・
原動機付き自転車を含むすべての自動車の保有者に加入が義務付けられている強制保険。
事故被害者を保護するために昭和30年に発足しました。
人身事故を起こした際に、被害者へ最大4000万円の損害賠償が支払われます。
対人賠償だけが補償され、運転者自身のけがや相手の自動車が破損した場合の修理費用などは対象外です。
公共性の高い保険のため、損害保険会社に利益や損失が発生しないように料率が毎年算定される仕組みになっています。
交通事故死者、54年ぶり5000人台
交通事故が減少していることを上述しましたが、その関連データを示しましょう。
2007年の全国の交通事故死者数が12月27日現在、前年同期比608人少ない5669人であることが28日、警察庁のまとめで分かっています。
通年では1953年以来、54年ぶりに5000人台になることがほぼ確実といえそうです。
同庁によると、27日までの1日平均の死者数は前年より1.7人少ない15.7人。
1―11月の月別の交通事故死者数は2月と10月以外のすべての月で前年を下回ったようです。
27日現在、都道府県別で死者が最も多いのは愛知の285人。最も少ないのは鳥取の34人。
交通事故の重傷者、3割が精神疾患に
しかし恐ろしいデータもありますので、加えましょう。
交通事故で重傷を負い、救命救急センターに搬送された患者の3割が、約1カ月後にうつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患を発症していたことが、厚生労働省研究班(主任研究者、金吉晴国立精神・神経センター部長)の調査で分かっています。
こうしたケースで精神科医が患者に直接会い、さまざまな心の病気の有無を調べた調査は初めてだそうです。
救急医療の進歩で重傷者らの救命率は向上しているが、精神的ケアも極めて重要であることを示すデータですね。
米集中治療医学会誌に近く掲載されるようです。
調査は国立病院機構災害医療センター(東京都立川市)の救命救急センターで2004年5月から実施されました。
搬送の24時間後から患者に精神科医らが面接し、18歳から69歳までの100人の状態を追跡したそうです。
頭部にダメージのある人や、以前から精神疾患のある人らは対象から除かれています。
2008年01月04日
カテゴリー:損害保険コラム
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