終身保険っていくら必要なの?
2006年3月28日
始めに結論から申し上げますと、ガッカリさせるようですが、この命題についてはわかりません・・・。
この命題に関しましては、正直なところかなり悩みましたが、悩んだ挙句が、「分からない、人の命の値段は、他人はつけられない」ということでした。
それでは検証してまいりましょう。
終身保険のある意味での特質
少し前までは、終身保険は万能のように訴えられていたように思われます。終身保険で言われるのが、保険料は高いが、一生涯保障が続き、解約返戻金も貯まる、そしてずっと保険料が変わらないということです。
平成の初期に外資系生保の販売手法が脚光を浴びました。その理論は終身のキャッシュバック率の高さが売りだったようです。私も始めて接したときは、まさに"目からウロコが落ちた"思いでした。
Lの悲劇から逆Lの悲劇へ
当時良く言われたのが、「Lの悲劇」という言葉です。これは、保障内容をグラフにあらわすとLの文字に似ていることからいわれた言葉なのですが、定期付終身保険の保険料払込完了時点で、保障額がガクンと急激に下がってしまい、かつ解約返戻金が微々たるものしか無いということを悲劇と言ったわけです。
ところが1997年頃から、次に「逆Lの悲劇」と呼ばれる事態が少しずつ出始めたんですね。
それは、上述の「Lの悲劇」に同調されたお客様が、例えば5000万円の保障額を捨てて1000万円の終身保険に乗り換えたわけです。
しかし人生は万事に塞翁が馬ということでして、切り替えた半年後に亡くなったりしたわけです。
奥さんとしてはたまりませんよね、何せ5000万円の保険金が1000万円になってしまったのですから。
その困り果てた姿を想像するのも憚れますが、途方に暮れた際の4000万円の差は、あまりに大きいですね。
将来におけるキャッシュバックを期待して、現在の大切な保障を削ってしまったが故に起きてしまった悲劇です。
保険の本質
その事例を知った私は心の底から怖くなり、「命の値段を決められるのは、本人と家族だけだ」と思い知らされました。
保険の本質は「相互扶助」すなわち困った人を、皆で助け合いましょうという制度です。昔から言われますが、保険はいざという時の転ばぬ先の杖ということですね。
「逆Lの悲劇」の中においても、ご本人およびご家族が、保障を削ったときのデメリットまで納得していたら、決して悲劇にはなりえないわけです。情報が偏ってしまったところに問題があるのだと思います。私はそれ以来、何かの時のン千万はとても自分で責任を負えるものでも無いので、自分は情報提供に徹して、最後はお客様に決めていただこうと、肝に銘じました。
FP的「終身保険のキャッシュバック」の検証
また、FP仲間では良く検証したのですが、リンクを貼ってある「終身保険と定期保険の特質比較」をご覧下さい。30才の男性が1500万円の保障を準備したときのシュミレーションです。
終身だと保険料は32,055円ですが、定期保険は5,925円です。60才の払込完了時では、終身は掛けた分に肉薄する解約返戻金があり、確かにいいように見えるんですね。
ところで、終身保険に対して負担している保険料32,055円に着目すると、その枠内で定期保険で5,925円を掛けて、浮いた26,130円を貯蓄していくという組合せもありえるわけです。
ちょっと金利が高いのですが、もし仮に1.5%の利回りを平均的に確保できれば、65才時点において、貯蓄は約1195万円となり、終身の解約返戻金と大差ないんですね。
そして重大な視点をご説明しますと、もし仮に59才で亡くなってしまうと、終身保険は死亡保障の1500万円ですが、定期保険プラス貯蓄の組合せは1500万の保障プラス約1145万円の貯蓄が手元に残ることになり、都合約2645万円が遺族に残ります。そう考えますと、どちらが得かまったく分からなくなってしまいます。
自分の中での回答
そこで私は悩んだ末に、ひとつの解答を見つけました。
それは、終身は決して万能では無く、むしろ必要と思われる保障を安く確保していき、そしてライフステージにおいて、必要に応じてメンテナンス、例えば減額したり払済にするほうがいいのではないかと・・・・・
冒頭の結論に戻りますが、文面はあっさりしていますけど、この件に関しましてはかなり頭を悩ませました。
そして今では、資産家でもない限り、終身はひょっとしていらないかも知れないな、それよりも家計における、保険と貯蓄バランスをアドバイスしていく方がいいかも知れないと考えています。
ただ、これはあくまで私の意見であり、最終的には個々人の考えが第一だと思っています。
どんな意見でも尊重させていただき、その都度また悩みたいと思います。
是非ご意見ある方は遠慮なくお申し付け下さい。
