保険の原価を開示したライフネット生命に拍手喝采
2008年12月13日
ライフネット生命・出口社長の勇気に心から敬服
この急激な金融不安の最中に、ライフネット生命が"保険の原価"を開示しました。
その行為に対して、同業の生保各社からは怨嗟の声が広まっているといいます。
一般消費者の視点からは、良くやったというところが本音でしょう。
保険関連の方は、背筋を寒くているかも知れませんね。
しかし世界の潮流は金融商品の手数料開示であり、これはいつかは通らなければいけない道だったのでしょう。
怨嗟の声は当然織り込み済みだと思われますが、本当に良くぞやりましたね。
出口社長は勇気があります。心から敬服します。
自分も生保会社に12年勤続しておりましたが、保険の原価と言うのは気になりながらも、全く分かりませんでした。
きっと保険会社に勤務している人たちも、役員やアクチュアリー以外の方は知りえなかったでしょう。
やはり保険は高かったのか・・
保険会社も変わらなきゃ!
現在、退職金制度構築のお手伝いをさせていただいている会社さんが数社あります。
自分は社会保険労務士なので、社内の人事制度や退職金制度等の設計を応援するわけですが、どうしても商品設計も必要となり、中退共・DC・DB等の知識も必要となり、商品設計の際にも支援に入るわけです。
元生命保険会社機関長として、企業向け制度商品も販売していたので、売る視点と買う視点の中立的なところから企業にはアドバイスを送りますが、やはり未だに保険会社は顧客視点に立てていない、というのが正直なところです。
それでいて提案力が脆弱だったりします。
これはマンパワーが現場で欠如していることもありますが、しっかりと自分の頭で本当に納得するまでシミュレーションしていないのではないかと想像するわけです。
「お客さまの立場に立って・・うんぬん・・」と昔から叫ばれておるのですが、まずは自分のところの商品と、それを取り巻く社会保障関連の法律は押さえておいて欲しいですね。
そして、ここで問題になっている付加保険料をお客様からいただいている事実を厳然と認識し、自分が売りたい商品の提供ではなく、お客さんが欲しい商品という観点から仕事を進めて欲しいと思います。
最近はコンプライアンス一辺倒で、どうも想像力を現場で感じないです。
高い付加価値を提供できないなら、安く商品提供するしかないですね。
まあ、保険料が高いとか提案力が十分だとかいう議論の、客観的な土台を提供していただいたということになりますので、出口社長率いるライフネット生命の、今回の保険の原価開示は、とても賞賛に値するわけです。
参照させていただいた記事
付加保険料率(生命保険の「原価」)の開示について
(ライフネット生命保険・出口社長のブログ)
保険の"原価"開示のライフネットに反響 サイトへのアクセスが最高に
生保商品の"原価"を開示し、保険料のからくりを明らかにしたライフネットのWebサイトへのアクセスが過去最高になったという。
ネット専業のライフネット生命保険は12月9日、前日の同社サイトへのページビュー(PV)が24万超となり、5月の開業以来最高になったと発表した。
同社は生保商品の"原価"の公開を進めており、同社は「徹底した情報開示の姿勢に対するお客様の支持の現れ」としている。
8日はユニークユーザー(UU)数も4万超に上り、1日当たりのPV・UUとも過去最高になったという。
同社はこのほど、代表的な保障プラン例について、保険料の内訳を開示した。
また電話で受け付けるコンタクトセンターでは、個別の保障プランごとに内訳の開示を進めている。
生命保険料は「予定死亡率」(生命表に基づく)、「予定利率」(運用金利見通しなど)、「予定事業費率」(保険会社の運営に必要な事業費見通し)の3要素から算出される。
生保商品の原価に相当する「純保険料」は、年齢・性別(死亡率)、金利水準などで変動するが、算出に使う要素が日本人であれば同じであるため、各生保ともほぼ同程度の額になる。
それ以外の部分は「付加保険料」と呼ばれ、保険会社を支える費用と利益に回される。
いわゆる保険料は、純保険料と付加保険料の合計金額となる。
ネット専業のライフネットは、生保各社が抱える営業人員などがいない分、付加保険料を安価にでき、保険料全体を安くできるというのが売りだ。
具体的には、同社の定期死亡保険では、30歳男性・保険期間10年・保険金額3000万円の場合、月額保険料3484円のうち、23%に当たる815円が付加保険料だとしている。
純保険料が各社でほぼ同じだと考えると、実際の各社の保険料の差は付加保険料の差であることになる。
付加保険料の開示は義務ではないが、あえて情報開示に踏み切ることで、経費を抑えて保険料を安くできるネット専業の強みをアピールするのが狙いだ。
同社は「お客さまと企業の情報格差が大きい保険業界では、より徹底した情報開示がお客さまの信頼獲得のために重要」としている。
業界初! "保険の原価"を開示したライフネット生命に怨嗟の声
「なんで開示したのか!」――。
ある生命保険会社幹部はいらだちをあらわにした。
その理由は、11月21日、インターネット専門の保険会社であるライフネット生命保険が、"保険料の原価"の全面開示に踏み切ったためである。
契約者が支払う保険料は、将来の保険金支払いの原資である純保険料と、保険会社の運営経費である付加保険料に分けられる。
この付加保険料には、営業職員や代理店への手数料や、保険会社の利益などが含まれ、開示はタブーとされてきた。
確かに「クルマや電化製品も原価を開示していない」(大手生保)というように、開示しなければならないものではない。
ではなぜ、開示に踏み切ったのか。
出口治明・ライフネット社長は「クルマや電化製品などと違い、保険は見たり触れたりできない。また一部の商品を除いて手数料も開示されておらず比較しづらい。そこで保険会社間で差が大きい付加保険料を開示すれば競争が進むと考えた」とその理由を説明する。
営業職員がいない身軽なライフネットだからこそ開示に踏み切れたといえるだろう。
いったい付加保険料にはどれほどの差があるのか。
たとえば、30歳男性の死亡保険金3000万円の定期保険(期間10年)に支払う年間の保険料は、ライフネットが約4万円(純保険料約3万円と付加保険料約1万円)で、ある大手生保は約8万円。
その差は2倍だが、付加保険料で比べれば、差は5倍に広がる。
なぜなら、同じ日本人が対象のため、原価である純保険料はほぼ同額であり、他生保でも純保険料は約3万円となる。
つまり、先の大手生保の付加保険料は約5万円となり、ライフネットの約1万円の5倍に相当するというわけだ。
ただでさえ収益が悪化している生保各社には、価格引き下げ競争になりかねない付加保険料の開示は避けたい事態。
そのため「余計なことをしてくれた」と怨嗟の声が上がっている。
だが、金融商品の手数料開示は世界的な流れ。
いつまでも非開示のままではいられないだろう。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 藤田章夫氏)
