「協会けんぽ」への移行は医療制度を崩壊させるのか?
2009年1月19日
平成20年10月1日に、従来の政府管掌健康保険から、その運営者が「協会けんぽ(全国健康保険協)」に変更になりました。
中小企業等で働く従業員やその家族の皆様が加入されている健康保険(政府管掌健康保険)が対象です。
2006年に成立した「医療制度改革関連法」によっての措置です。
協会けんぽ(全国健康保険協)への変更については、従前の記事にまとめていますので、参考になさって下さい。
協会けんぽ(全国健康保険協)に変更となったことで、何が変わって、何が従来通りなのかは上述の記事を参考にして下さい。
協会けんぽが医療を崩壊させる理由
「協会けんぽ」について、全国保険医団体連合会(保団連)では、「都道府県ごとの保険料への移行に当たり、保険料が大幅に上昇する場合、5年間に限って『激変緩和措置』が講じられるが、その後は都道府県の格差が著しいものになると予測される。
としています。
全国一律だった健康保険制度を都道府県単位に分割することは、国の責務を投げ捨てるとともに、都道府県に医療費削減を競わせ、"医療崩壊"を加速させる」と批判しているものです。
確かに保険技術上から考察すると、母数が多ければ多いほど安定するものであり、それを都道府県単位に分割することで安定度が損なわれてしまうことが想像されます。
その制度を支える人の数が少なくなると、ちょっとしたブレが、制度全体に大きく影響を及ぼす可能性があるからで、マンモス校なら生徒が風邪をひいても影響は少ないでしょうけど、少数の生徒しかいない学校であれば、同じ数の生徒が休んでも、その比率が高くなってしまうので、休校等に追い込まれる可能性があるというところでしょうか。
また見逃せないのが、都道府県に医療費削減を競わせる発想であり、健全な競争ならば良いでしょう。
しかし現在のような不況においては、病院にかかりたくともかかれない人を存在させてしまい、病院に通うことがいけないことのような感情も世間に生まれてしまうことも怖いと感じるわけです。
中長期で見ると、確かに医療費が削減しなくてはいけないでしょう。
しかしそれは、あくまでも健全な思想が土台にあってだと思われます。
人権をないがしろにしたり、無理な進行で、それこそ医療制度が崩壊するようなことになってしまっては危険極まりないですね。
平成21年度も、どうやら協会けんぽの保険料率は据え置きの見通しのようですが、この保険料の地域格差や、医療制度が健全に運営されているかのチェックについては注視しておかねばならないよいうです。
参考にさせていただいた記事
livedoorニュース-
http://news.livedoor.com/article/detail/3968160/
保険料率で最大1%強の地域格差
国が運営してきた「政府管掌健康保険(政管健保)」の廃止に伴い、昨年10月に設立された全国健康保険協会が運営する「全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)」の保険料率について、都道府県で最大1.04%の開きが出ることが、厚生労働省の試算で明らかになった。
保険料が大幅に上昇する場合、5年間の「激変緩和措置」が講じられるが、これまでは国が担ってきた全国一律の健康保険制度が都道府県単位の制度になり、保険料などで地域格差が出ることに医療関連団体から批判が上がっている。
2006年に成立した「医療制度改革関連法」によって、昨年10月に「政管健保」が廃止され、「協会けんぽ」に移行した。
政管健保は国(社会保険庁)が保険者となって運営し、民間企業の従業員のうち、主に事業所が健康保険組合を持たない中小企業の従業員や家族約3600万人が加入していた。全国健康保険協会は非公務員型の公法人で、「協会けんぽ」は各都道府県の協会支部が運営に当たる。
保険料率は、政管健保では、労使折半で全国一律8.2%だったが、「協会けんぽ」では、各都道府県の医療費を反映した保険料が設定されることになっている。
厚労省が07年度の医療費などを基に試算した結果、全国平均で8.35%となったが、都道府県別では、北海道が最高の8.88%、長野県が最低の7.84%で、1.04%の格差が生じた。
「協会けんぽ」は現在、政管健保と同じ8.2%が適用されているが、今年9月末までに、各都道府県の医療費を反映した保険料(率)が設定される予定。保険料率は、3月までに各都道府県支部が決定し、厚労相の認可を受けることになっている。
「協会けんぽ」について、全国保険医団体連合会(保団連)では、「都道府県ごとの保険料への移行に当たり、保険料が大幅に上昇する場合、5年間に限って『激変緩和措置』が講じられるが、その後は都道府県の格差が著しいものになると予測される。
全国一律だった健康保険制度を都道府県単位に分割することは、国の責務を投げ捨てるとともに、都道府県に医療費削減を競わせ、"医療崩壊"を加速させる」と批判している。
IZA ニュース-
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/206233/
協会けんぽの保険料率、21年度は据え置き見通し
厚生労働省は19日、平成21年度の全国健康保険協会(協会けんぽ、旧政府管掌健康保険)の全国平均の保険料率について、20年度と同じ8・2%(労使折半)に据え置かれる見通しであることを、自民党の厚労部会などの合同会議に報告した。
また、来年9月までに導入される都道府県別の保険料率について、19年度の医療費に基づく試算結果も公表し、最高の北海道と最低の長野県の間で保険料率に1・04%の差が出ることも分かった。
2009年1月19日
カテゴリー:法律改正情報
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