東京海上日動の商品改定は効果が高いか?
2008年1月14日
東京海上日動火災保険が、商品の抜本的改定を行うとのリリースがありました。
従来の複雑な約款を、共通項目はすべて集約し、共通項目と個別の約款事項として再構築するというものですが、簡素化した分かりやすい商品というコンセプトのようです。
冷たいようですが、どうなんでしょう?・・
恐らく商品自体は理解しやすくなるんだと思われます。
さすがにリーディングカンパニーだけあって、東京海上日動火災保険の手の打ち方は、素早く適格だと評価することができます。
まぁ遅きに失しているという声もありますが、あれだけの莫大な商品を集約化させるというのは半端な作業量では無いでしょうから、この改定はとてつもない仕事だったのだろうと推察されます。
商品の分かり難さもそうなのですが、もっと大きな問題点を孕んでいるように自分は考えています。
的外れだったらお詫びします。
損保業界に限らず生保業界、すなわち保険業界がそうなのですが、エンドユーザーに近いセールスマンのレベルが今一歩という実態が実は大きな問題なのではないかと考えています。
自分は生保業界で12年間の勤務をしており、うち9年間を営業現場で過ごしました。
その間、採用と育成の血みどろの戦いでした。
保険業界は優秀な人材が少なからず在籍しています。
自分の仕事の基礎を作ってくれた方が沢山いらっしゃいました。感謝しています。
しかしながら、販路としてのセールスレディ一辺倒にについては疑問が絶えませんでした。
中には当然立派な方も多いです。
その反面、面倒な人が多かったことも事実です。
それは、セールスレディの人数のしばり・プレッシャーが強すぎて、どうしても採用しなくてはいけない風土だったからです。
今はコンプライアンス重視ですから、きっとそんなことは無いのだろうと思います。
言葉は悪いですが、入れ替え立ち替えの陣容だと教育コストが大きすぎるのですね。
教えているほうも結構疲れるんですよね。
それで、商品の根本である約款やセールス技法などよりも、いち早く成果になるようなことを狙うので、しっかりした知識が蓄積されずに現場が回っている嫌いがあります。
生保は代理店制度が少ないのですが、損保の代理店というと完全に別組織ですから、教育・訓練が十分でないことは容易に想像できます。
だから、お客様の疑問に絶えうるような教育が蓄積されていない可能性が非常に高いということです。
恐らく一般のお客様にとって、保険なんてどうでも良い存在でしょう。
自分も業界を離れて分かりました。
だからこそ、自分の保険を扱う担当者はしっかした知識や対応を望むのだと思います。
そのあたりに対して、商品の抜本改定は評価はできるものの、お客様と一番近いセールスマンの教育・訓練や、その前段階のセールスレディの採用や代理店選定にあたっての手を確実に打たないと、思った効果が出ないのだと予想しています。
社会保険労務士の実務も結構大変ですが、真剣にこなせば生損保実務もそれに劣らずくらいの大変さがあります。
数字だけで評価をしないで、顧客対応がしっかりとできる強い販売組織を目指していかないと、思うような効果が出ないと考えるのは自分だけでしょうか。
保険の銀行窓販が本格化した今、真にお客さまが望む顧客対応サービスできる人材の確保と体制を構築しないと、ますます保険業界は沈んでいく可能性があります。
いずれにしましても、今回の改定がどのような効果を生み出すか注目していたいと思います。
参考記事は以下でご覧下さい。
【記事引用】
「フジサンケイ ビジネスアイ」 -
(http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200801080027a.nwc)
自動車保険を簡素化...東京海上日動、より分かりやすく
5月発売
東京海上日動火災保険は7日、商品内容をより分かりやすくした自動車保険を5月に発売すると発表した。
保険金不払い問題の再発防止に向けて、大規模な特約の統廃合などを実施する。
同社が進めている商品や事務プロセスなどの抜本改定の第1弾となる。
2010年までに火災保険や傷害保険など個人向け全商品のほぼすべてで同様の見直しを行っていく計画。
自動車保険の改定では、現在3種類ある商品を2種類に統合する。
特約も、重複するものの一本化や販売実績の少ないものを廃止するなど整理・統合を進めることで、128種類から75種類にほぼ半減させる。
これにより、代理店が顧客に対して商品内容を説明しやすくするほか、顧客が必要とする補償内容を選びやすくすることを狙っている。
一方で、契約者からのニーズが高い補償内容については充実を図る。
事故発生時に代替交通手段や緊急宿泊先の確保などの補償メニューを案内するサービスを追加する。
また、補償内容を記した約款を分かりやすくするため、問い合わせが多い事項や事故発生時の留意点などを記した「ご契約のしおり」を新たに作成。
自動車保険の理解を促進するホームページ「自動車保険ご案内デスク」も開設する。
東京海上日動では、保険金不払い問題の再発防止策の一環として約630億円をかけて、商品、事務プロセスの抜本改定に取り組んでいる。
これまで保険種目によって異なっていた保険料の支払い方法や契約手続き、商品に関する用語などを共通化する。
具体的には、同じ名称であるにもかかわらず保険種目によって異なる補償内容の特約や、商品ごとに異なる保険料の支払い方法を全商品で共通化する。
これにより、事務段階でのミスを防ぐ。
損保業界では、保険金不払い問題を契機に保険商品を見直す動きが進んでいる。
損害保険ジャパンが2月、簡素化した自動車保険の販売を始めるほか、三井住友海上火災保険も同様の自動車保険を08年度上期中に発売する予定。
2008年1月14日
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