401K導入の背景 ~わかる401k制度 8~
2006年3月19日
401K導入の背景
なぜ今401kなのでしょう。その導入の背景には大きく分けて3つの環境変化が影響しています。
1.公的年金制度の環境変化
現在の日本の公的年金は現役で働いている世代の保険料負担で年金を受け取る世代を支える仕組み(世代間扶助方式)となっています。ところが、急速に進む少子高齢化によりこの仕組みが大きく揺らいでいます。つまり、年金受給世代が急速に増加し、年金原資を負担する現役世代は減っていくことが確実になってきているのです。
国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、現在現役世代4人で1人を支えている公的年金制度も、2025年には2人で1人の年金を支えることになります。
すでに給付開始年齢の引き上げや給付水準の引き下げが始まっていますが、今後保険料アップを含めた制度全般の見直しが避けられない情勢となっているのです。
2.企業年金制度の環境変化
長引く低金利の影響を受け、企業年金制度における年金資産の運用実績は、予定した利率を下回る状況が続いており、拠出追加や積立不足の発生等、財政状況が悪化、制度の維持が困難となるケースも増えています。
さらに平成12年度から新しい会計基準が導入され、今まで簿外債務だった退職給付債務(※)の積立不足額を開示した上、償却処理を行うことが求められるようになりました。開示する積立不足の状況によっては、企業の格付や株価にも大きな影響を与えかねないことから、各企業とも早急な対応を迫られています。
(※)退職給付債務(PBO)
将来、退職時に発生する退職給付見込額について、現時点までで発生していると認められる部分です。企業の債務として認識され、退職一時金と企業年金の退職給付債務は、退職給付引当金として一元的に貸借対照表に負債計上されます。
3.雇用慣行の環境変化
今までの終身雇用の考え方にも少しずつ変化が生じ、若年層を中心に「自分のキャリアアップのためには転職もいとわない」という人が増えてきています。また、国際競争の激化・産業構造の変化に伴い、労働移動も増加の傾向にあります。ところが、従来の企業年金制度は、そのほとんどが1つの企業での長期勤続を前提として設計されており、離転職者にとって非常に不利な制度となっています。
こうした年金・雇用を取り巻く環境変化が確定拠出年金という、会社でも国でもなく、個人が自己責任のもとに将来の年金資産の形成を行う新たな年金制度が登場するきっかけとなりました。確定拠出年金制度は、このような諸課題を補完、解決する次世代の年金として期待されています。
(参考)アメリカの401k制度とは?
アメリカには確定拠出型の年金がいくつかあり、その中で401条(k)項の要件を満たしている税制適格の企業年金が401kプランと呼ばれるものです。
内国歳入法の401条k項とは、従業員が給与を現金ですぐに受け取るか、企業年金に拠出して将来受け取るかを選択できるという内容の規定です。すぐに受け取ることを選べば、その時点で通常の課税がされ、企業年金への拠出を選択すれば、将来もらうときまで課税を遅らせる(繰り延べる)ことができます。
つまり401kプランに加入した人は税制優遇を受けることができ、これこそが401kプランの最も大きな特徴の1つでもあります。
(注:アメリカの401kプランは企業年金の1つですが、日本版401k制度は個人でも加入することが可能です。)
アメリカの401kプランの資産残高は99年末時点で1兆7000億ドルに達しています。90年以降年平均17%のペースで増加しており、米国での退職資金源としての地位を着実に高めています。
